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通勤をスポーツに。コロナ禍で変化した価値観にフィットする「e-Bike」

新型コロナウイルス感染拡大を抑えるための緊急事態宣言が発令されて以降、人の価値観や考え方は大きく変化した。三密になりやすい満員電車を避けたいという心理もその一つで、withコロナのニューノーマルとして自転車を活用する人が急激に増えている。単に三密を避けるだけでなく、通勤時間を自転車による運動の時間に変えたら、ビジネスパーソンの仕事のパフォーマンスに良い影響があるのではないか。

そこで今回は、元陸上選手の為末大氏に、通勤時間をスポーツに変えることの価値やアフターコロナの社会でビジネスパーソンが持つべき思考について、話を聞いた。

人との程よい距離感を取りたいから、コロナ以前には戻れない

――新型コロナウイルスの感染を防ぐために三密を避けようと、移動手段を電車やバスから自転車に変える人が増えています。この状況を為末さんはどう捉えますか?

今回のコロナ禍で、我々人類は人と程よい距離を取ることの心地よさを知ってしまったから、もう三密には戻りたくないと思う人が多いと思います。

もちろん、家と会社の距離が遠い人や、人との距離を保てる電車で通勤できる人は例外ですが、特に首都圏で家と会社との距離が電車で30〜45分圏内の人は、今まで当たり前のように満員電車に乗って通勤していたこと自体に疑問を持っているのではないでしょうか。きっとこの感覚は、事態が収束してもなくならないと思います。

為末大: スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダルを獲得男子400メートルハードルの日本記録保持者(2020年6月現在)。現在は人間理解のためのプラットフォーム為末大学(Tamesue Academy)の学長、アジアのアスリートを育成・支援する一般社団法人アスリートソサエティの代表理事を務める。
為末大:スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダルを獲得男子400メートルハードルの日本記録保持者(2020年6月現在)。現在は人間理解のためのプラットフォーム為末大学(Tamesue Academy)の学長、アジアのアスリートを育成・支援する一般社団法人アスリートソサエティの代表理事を務める。

この、「通勤に自転車を使ったらいいんじゃないか」という価値観の変化は、かつて携帯電話が人類にもたらした変化と少し似ている気がしているんですね。携帯電話が存在しなかった時代の待ち合わせは、移動中の連絡手段がないから、相手が来るまで「待つ」ことが当たり前でした。

でも、携帯電話が浸透し始めると待ち合わせの仕方は徐々に変化していき、スマホが当たり前になった今は、相手が遅れることがわかれば近くのカフェを検索して時間を潰せますし、待ち合わせ場所を変えることもできる。もはや、スマホが存在しない生活には戻れません。

今回、新型コロナウイルスによって、あらゆる領域で価値観の転換が起きていますが、その一つの象徴が自転車だと思うんです。「なぜ今まで当たり前のように満員電車で疲弊したうえで出社していたんだろう」と考えた人に、自転車という選択肢がフィットしたのではないでしょうか。個人的に、この行動変容はすごくいいと思っています。

通勤時間の有酸素運動が、仕事のパフォーマンスを高める

――通勤時間を自転車による運動の時間に変えると、仕事のパフォーマンスにも影響がありそうですが、為末さんはどうお考えですか?

仕事のパフォーマンスや生産性を向上させるための手法として、数年前から「マインドフルネス」が話題になりましたが、同じような効果が「通勤時間の運動」にはあるように思っています。

なぜなら、有酸素運動は脳のコンディションを整え、運動後しばらくは記憶の定着が良くなると言われているから。出勤前にジムで泳いだり走ったりするのはハードルが高くても、通勤手段を電車から自転車に変えることで、通勤時間が有酸素運動の時間になります。すると、午前中の仕事のパフォーマンスはきっと上がるはず。

為末さん2。

移動を自転車に変えるきっかけは三密を避けるためだったかもしれませんが、僕は、無味乾燥だった“満員電車での通勤”というカテゴリに、「どうせ移動しないといけないなら、楽しく移動できる選択肢を選ぼう」と色をつけて楽しむ人が増え始めたように見ています。

よく、スポーツとエクササイズの違いは何かと聞かれるのですが、スポーツはサッカーやサーフィンなどそれ自体を楽しむことを目的とした運動で、エクササイズは健康やダイエットなどを目的とした運動なんですね。この間のポジションが、「自転車による通勤時間の運動」なのではないかと思っています。

この新しい領域の運動によって、仕事のパフォーマンスが上がったことを実感する人が増えていけば、通勤に自転車を使う人はもっと増えるかもしれません。人の行動が変われば世の中のルールも変わっていくので、スーツ文化が変わったり、道路自体が変わったりするかもしれないですね。

人は「自己効力感」を得られるものに“ハマる”

――為末さんは、普段の移動や通勤に自転車は使いますか?

僕はe-Bike(電動アシスト付きスポーツバイク)が好きでよく乗ります。普通の自転車を通勤に使うと到着する頃には汗だくになりますが(笑)、e-Bikeなら長距離移動でも爽やかに出社できるから、自宅から渋谷のオフィスまではe-Bikeを使うことがほとんどです。僕が館長を務める新豊洲Brilliaランニングスタジアムに行くときは、電動のレンタルバイクがある駅まで電車で行って乗り換えることが多いですね。

ただ、電動のレンタルバイクはペダルがついた原付バイクのような乗り心地なので、ちゃんと自転車に乗りたい僕にとっては面白いものではありません(笑)。その点、スペシャライズド社のe-Bike「VADO SL」は、自分がスーパーマンになったみたいにぐいぐい進んでいくのに、モーターでアシストされていることを認識しづらく、自分で自転車を漕いでいる感覚もあって楽しいんです。

先進技術を駆使したサイクリング機材を提案している、アメリカの自転車ブランド「スペシャライズド」から発売されているe-Bike「VADO SL」。通常のe-Bikeよりも40%軽いため、自宅への持ち運びも簡単。
先進技術を駆使したサイクリング機材を提案している、アメリカの自転車ブランド「スペシャライズド」から発売されているe-Bike「VADO SL」。通常のe-Bikeよりも40%軽いため、自宅への持ち運びも簡単。

この、自分で動かして身体に心地よいフィードバックを得るという感覚は、人間にとってすごく大事な要素なんですね。たとえば、バスケットでフリースローが決まった、サーフィンで波に乗れたといった、「自分はきっとこの動きができる」と信じて実行し、それがうまくできると得られる「自己効力感」に人は魅了されてハマります。

e-Bikeも、自分がペダルを踏んで進んでいる感覚があって、体にフィードバックが返ってくるような「自己効力感」があると、それは楽しいスポーツに変わっていく。

モーターが内蔵されているとは思えないスタイリッシュさ。坂でも渋滞でも、ペダルを漕げばスイスイと進み、時速24kmまでアシスト。
モーターが内蔵されているとは思えないスタイリッシュさ。坂でも渋滞でも、ペダルを漕げばスイスイと進み、時速24kmまでアシスト。

一方で、e-Bikeから自転車らしさがなくなって、モーターにアシストされていることがわかりやすくなればなるほど、人間から自己効力感を奪います。すると、「原付バイクの方が早いよね」「電車移動の方が合理的だよね」といった合理性を追求するようになるんです。

普通の自転車だと長距離は辛くて続かない可能性が高いですが、e-Bikeであればきっと楽しくてハマる人が増えるのではないでしょうか。脳のコンディションも整えてくれるので、ビジネスパーソンにとって良い選択肢になると思いますよ。

為末さん5。

形式的なものは早く取っ払い、本音で生きて欲しい

――コロナ禍前後で、人の価値観や考え方、働き方などさまざまなことが変化しました。この新しい社会を生き抜くビジネスパーソンに向けて、メッセージをお願いします。

コロナ禍で「困った・無理やり適応しないといけなかったこと」に関しては、これから2年くらいかけて元に戻る可能性がありますが、コロナ禍が“白日の下に晒した本質”は、元に戻らないと思います。きっと、働き方や仕事内容、社内でのルールなど「それって、本当に必要なんだっけ?」と疑問に思うことがたくさん出てきたと思います。

当たり前のように毎日定時出社していたけれど、出社が必須なわけではないし、上司の目の届く範囲で働くことだけが仕事ではない。今回リモートワークができた業種・職種の人は、会社に出社することと生産性はまったく関係ないことがわかったでしょう。

僕自身、これまで比較的自由に生きてきた自負はありましたが、それでも固定観念を持っていたことに気づかされました。だから、コロナ禍が晒した事実を一つずつ問題提起して、自分たちが生きやすい会社・社会へと変えていってほしいと思っています。

為末さん6。

もし、形式的なものや画一的なものに囚われていると気づいたなら、それを早く取っ払って本音で生きる道を選択した方がいい。個人レベルでも、Aがいいと思うけれど何かに抑制されてBを選んでいる状態なら、その抑制されている何かから自分を早く解放してあげてください。

人それぞれに幸せの形は違います。一人ひとりが幸せな人生を追求できる生き方をしてほしいですし、これからはそういう世界に変わっていくと思っています。

「スペシャライズド」は、サイクリングにより人々の健康や生活の質を向上させ、地球環境をも自転車で変えていこうとしているアメリカの自転車ブランド。「サイクリングは人生を変える」という信念のもと、革新的な機材を開発している。e-Bike「VADO SL」は一般的なe-Bikeより40%軽く、簡単に持ち上げられ、普通の自転車と変わらないフィーリングで操作が可能。これからの時代を生き抜くビジネスパーソンのベストアイテムをぜひチェックしてください。

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