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仕事のパフォーマンスを上げるには、日々のコンディショニング管理が不可欠

人生100年時代と言われて健康志向が高まる中、新型コロナウイルスの影響で免疫力を高めるために腸内環境を整えることへの関心が高まっている。腸内環境は運動や食事で改善できると言われているが、なかなか運動の時間が取れない働き盛りのビジネスパーソンはどうすればいいのだろうか。

アスリートの腸内環境を研究し、その成果をサービス提供する研究開発型のヘルスケアベンチャー「AuB」の代表であり、元サッカー日本代表の鈴木啓太氏に、全世代のビジネスパーソンがすぐに取り組むべき「健康と運動」について話を聞いた。

アスリートの腸内環境を研究し、多くの人の健康に貢献

――コロナ禍で、免疫力をつけるために腸内環境を整えようとする動きが活発になりました。鈴木さんはまさに腸内細菌に関わる事業をされていますが、どのような思いで事業をされているのかを教えてください。

僕は、アスリートの腸内細菌を研究し、その研究成果をプロダクトやサービスとしてアスリートや一般の方に提供する、研究開発型のヘルスケアベンチャー「AuB」を経営しています。

腸内環境の研究は、古代ギリシャの医師・ヒポクラテスが「すべての病気は腸から始まる」という言葉を残しているように、ずっと昔から行われていました。ただ、嫌気性の菌は空気に触れると死んでしまうため、分からないことが多かったんですね。そこに技術革新が起こり、2000年頃から腸内細菌の研究が盛んに行われるようになりました。

鈴木啓太:元プロサッカー選手。高校卒業と同時に、Jリーグ浦和レッズに加入し、2015シーズンで引退するまで16年間活躍した。現在は自身の経験から腸内細菌の可能性に着目し、AuB株式会社を設立。アスリートの腸内細菌の研究をベースに、スポーツ、ヘルスケアビジネスの分野でも幅広く活動。
鈴木啓太:元プロサッカー選手。高校卒業と同時に、Jリーグ浦和レッズに加入し、2015シーズンで引退するまで16年間活躍した。現在は自身の経験から腸内細菌の可能性に着目し、AuB株式会社を設立。アスリートの腸内細菌の研究をベースに、スポーツ、ヘルスケアビジネスの分野でも幅広く活動。

AuBがアスリートの腸内細菌を研究している理由は、特徴的な被験者を調べることで大きな発見につながることがわかったからです。これまでアスリートは、自分のためにコンディションを整えて競技力を上げ、試合などでファンやサポーター、地域の方などに喜んでもらうのが最大の喜びでした。

でも、アスリートが培ってきたデータや、自身のコンディショニングのために取り組んできたことが多くの人の健康につながれば、より良い世の中になるはず。こうした思いから、アスリートの腸内環境の研究を続けています。

――腸内細菌が健康に影響していることは多くの人が理解していると思いますが、具体的にどのような影響があるのでしょうか。

わかってきているのは、デブ菌と痩せ菌のバランスが崩れると太りやすくなることや、免疫細胞の7〜8割が腸内にあること、神経伝達細胞のセロトニンも8割が腸内にあって脳には2〜3%しかないといったことです。セロトニンは、ストレスを緩和する作用がある“幸せホルモン”とも言われていて、それを作り出しているのが腸。腸は脳との関係もあるんです。

鈴木啓太さん2。

ただ、腸内環境は食事や運動で改善できると言われていますが、まだはっきりとはわかっていません。アスリートでも、長距離走の選手とラグビーなどパワー系の選手では腸内細菌のバランスが異なるという結果も出ていて、トレーニングによって食事が変わって腸内環境も変化するのかもしれないし、行動の変化によって変わっているのかもしれません。

「腸内細菌の多様性」が健康の指標だと言われ、また、鬱病と腸内環境の相関がありそうだと研究が進んでいるため、これからさまざまなことが解明されていくのではないかと思いますよ。

健康になった先の未来を想像して、自然と運動する仕組みをつくる

――ダイエットや健康な体を作ることは多くの人の悩みだと思います。三日坊主で終わらない運動の習慣をつくるにはどうしたら良いでしょうか?

生活スタイルそのものを「自然と運動する仕組み」に変えることです。この先の未来、人は座っているだけで仕事も移動も趣味もできる状態になるのは安易に想像できます。でも、人間が人間らしく生きるというのは、そういうことではないですよね。汗をかいたり、誰かと会って話をしたりするのは大切なこと。

では、どうやって生活の仕組みの中に運動を取り入れていくか。たとえば、通勤スタイルを電車や自動車から自転車や徒歩に変えるのも一つの方法ですし、スーパーまでの5〜10分の移動に車を使っているのであれば、車を持たないのも一つの選択だと思います。でも、これらは「健康になるため」という動機では続かないから、健康になった先の未来に何があるのかを考える必要があります。

鈴木啓太さん3。

――運動を自然と習慣化する一つの手段として、必ず発生する通勤を電車や車から自転車に変えることは有効な手段かもしれません。

家と会社の距離が自転車で通える範囲の人にとっては、すごく良い選択肢だと思います。それは運動や健康の観点だけでなく、環境問題にも良い選択肢。

自転車前部分。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界中の工場が稼働をストップし、企業が使う電気の消費量が減り、外出自粛によって世界中で自動車の排気ガスが減少したことなどから、地球環境が少し綺麗になったと言われていますよね。

今まで人類は、利便性を求めてテクノロジーを発達させましたが、今後はサステナブルな社会を考える必要があり、その選択肢には「移動手段に自転車を使うこと」が入るはず。もちろん、真夏と真冬の自転車移動は辛いですが(笑)、通勤に自転車を使う人が明らかに増えたら、環境問題にも貢献すると思います。

最近、若い世代を中心にサステナブルな消費行動が広まりつつありますが、全世代が環境問題に真剣に向き合わないといけません。日本には昔から「使う前より美しく」という言葉があるように、自分たちの世代が良ければいいという考えではなく、地球は借りているもので、これからの未来を作っていく次世代に渡さないといけないと考えるべきだと思うんですね。

鈴木啓太さん4。

今の時代が便利なのは、上の世代の人たちが努力して作ってバトンを渡してくれたから。それをより良い状態にして次の世代につなげていくことを考えれば、移動手段を自転車に変えるのは、簡単に始められる未来への貢献ではないでしょうか。

――たしかに自転車は地球にとってエコな移動手段ですね。自転車通勤をすると、ビジネスパーソンの仕事のパフォーマンスは変わると思いますか?

体を動かすと血の巡りが良くなって脳に酸素が行き渡るので、普段ぎゅうぎゅうの満員電車に乗って疲れた状態で出社している人は、自転車通勤に変えると仕事のパフォーマンスに差が出ると思います。疲れすぎない程度で自転車通勤ができるとベストですね。

その点、スペシャライズド社のe-Bike(電動アシスト付き自転車)「VADO SL」は、アシストしてくれるから疲れすぎないし、乗っていて楽しい自転車です。アシストされているのに自分で動かしている感覚があり、しかも信号などで止まった後の走り出しが軽い。

アメリカの自転車ブランド「スペシャライズド」から発売されているe-Bike「VADO SL」。モーターが内蔵されているとは思えないスタイリッシュさで通常のe-Bikeよりも40%軽いため、自宅への持ち運びも簡単。時速24kmまでアシスト。
アメリカの自転車ブランド「スペシャライズド」から発売されているe-Bike「VADO SL」。モーターが内蔵されているとは思えないスタイリッシュさで通常のe-Bikeよりも40%軽いため、自宅への持ち運びも簡単。時速24kmまでアシスト。

そもそもデザインとして電動自転車とは思えないし、「VADO SL」に乗ったとき、携帯電話が進化したときと同じような感覚がありました。90年代の携帯電話は、ショルダーバッグのような肩から下げるタイプの大きいものでした。持ち運びができる家の電話ですね。それが徐々に小さくなって折りたためるようになり、進化したテクノロジーが搭載されるようになって、2010年頃から一気にスマホが浸透した。それと同じような、自転車のデザインとテクノロジーの進化を感じたんです。

普通の電動自転車は乗っていて楽しいと思ったことはありませんが、「VADO SL」は自転車に新しい時代が来たことを思わせる乗り心地です。こうした、アシストしてくれる上に乗っていて楽しい自転車で通勤ができたら、仕事のパフォーマンスも上がるし、体のコンディションも整うのではないかと思います。

パフォーマンスを上げるには、コンディショニング管理が不可欠

――世界中でさまざまな価値観が変化するきっかけとなったコロナ禍で、鈴木さん自身が改めて気づいたことを教えてください。

改めて思ったのは、人は支え合いながら生きているということです。どのスポーツも試合がなくなってしまって、医療従事者に何かできることはないかを考えていたとき、医療従事者の方から「毎日医療現場で働き、夜遅くに疲れ果てて帰宅した後の唯一の楽しみがサッカー観戦です」と言われました。アーカイブしてある過去の試合を観戦しているときが、唯一心が安らぐ時間です、と。

スポーツを含めたエンターテインメントは「今を生きるために必要ではない」からと後回しにされがちですが、やはり人間が人間らしく生きていくためには、エンターテイメントや娯楽は必要です。今回改めて、スポーツには人を支える力や価値があることに気づかされました。

鈴木啓太さん6。

それからもう一つ、健康でなければ社会や経済は回らないことも痛感しました。健康は1ヶ月や2ヶ月で手に入れられるものではなく、日々の積み重ねの延長線上にあります。アスリートも、良いトレーニングを毎日続けるから、パフォーマンスが少しずつ上がります。そのために必要なのが、コンディショニングを厳しく管理すること。

これは仕事でも全く同じことが言えて、仕事のパフォーマンスを上げるには、体のコンディションを整えて、毎日コツコツと良い仕事を積み重ねていくことでしか実現しません。だから、仕事のパフォーマンスを上げたいビジネスパーソンには、健康を含めて自分のコンディショニングを考えてほしいと伝えたい。

もちろん人によって整え方は違うので、何をすると・何を食べると調子がいいのか、ぜひ自分をよく観察して見つけてください。それが、自転車通勤など「自然と運動をする仕組み作り」につながって運動が習慣化すれば、人生そのものが変わってくると思いますよ。

「スペシャライズド」は、サイクリングにより人々の健康や生活の質を向上させ、地球環境をも自転車で変えていこうとしているアメリカの自転車ブランド。「サイクリングは人生を変える」という信念のもと、革新的な機材を開発している。e-Bike「VADO SL」は一般的なe-Bikeより40%軽く、簡単に持ち上げられ、普通の自転車と変わらないフィーリングで操作が可能。これからの時代を生き抜くビジネスパーソンのベストアイテムをぜひチェックしてください。

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